ポパー哲学

ポパー哲学

理性の限界をわきまえている
合理主義であると
主張する批判的合理主義とは

徹底した批判によって真理と知識の客観性を追求

ポパーは1902年にウィーンに生まれた20世紀最大の哲学者の一人です。
マルクス主義や分析哲学を批判したのみならず、確率論といった専門的領域でも大きな貢献をしました。
彼の学問的活動領域はたいへんに幅広く、量子論、確率論、科学哲学、社会哲学、政治哲学、倫理学などにおよんでいます。
彼をもっとも有名にしたのは、『探求の論理』(1934年)──これは、1959年に『科学的発見の論理』として英訳されました──と『開かれた社会とその敵』(1945年)です。
世間的には、この後者の本が非常に有名になりました。前者は科学哲学の書物であり、経験科学とそうでないものとの境界設定規準として反証可能性の規準を提案したことで有名ですが、内容はそれにとどまらず、確率論や量子論などに及んでいます。
後者は、プラトンやマルクスを批判しつつ、「開かれた社会」の理念を語った社会哲学の書物であり、民主主義求めて闘っていた、また現に闘っている人々に大きな影響を与え、かつ与えています。
ポパーの社会哲学は、経験科学の方法論的ルールを提案しているかれの科学哲学を基礎としています。
その方法論的ルールは、徹底した批判によって真理と知識の客観性を追求しようという科学者たるべきものの社会的規範でもあるのです。
ここから、一切のものが批判に開かれており、かつ改善可能な社会としての「開かれた社会」が構想されたのです。
したがって、かれの哲学を理解するには、かれの科学哲学を理解する必要があることになります。

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