代表挨拶

代表あいさつ

代表あいさつ / 冨塚嘉一

このたび、前任の堀越比呂志さん(2016年~2018年)から引き継ぎました冨塚嘉一です。
専門分野は会計学なので主に会計係を担当してきましたが、人材不足の折から、ワンポイント・リリーフとしてお引き受けした次第です。
ポパー哲学および科学方法論に関心をもつようになったのは、自身の研究を深めようとする過程で方法論を無視できないと考えたからです。
したがって、ポパーの批判的合理主義が社会科学方法論においてどのような意義をもつのか、あるいは残された課題は何か、などの問題意識をもって研究しています。
ポパーの名を冠した学会ではありますが、私個人としては、ポパー哲学を絶対視するのではなく―これこそがまさにポパー哲学の真髄であり―、ポパー哲学の課題と思える部分を批判的に考察したり、ポパーがあまり言及していないテーマへの展開可能性を模索したりする発展的研究の場であって欲しいと願っています。
会員皆様の活発な批判的討論を期待いたします。

 

2018年8月

冨塚 嘉一(h00370*tamacc.chuo-u.ac.jp)
日本ポパー哲学研究会代表(2018年~)

2016~2018年代表 / 堀越比呂志

小河原さん、嶋津さん、立花さんと、哲学分野の方たちに研究会の顔として長らく交代で代表をお願いしてきましたが、あまりにご負担をかけ過ぎたという反省とそろそろ新たな展開ということで、マーケティング論を専門とする私にとうとうお鉢が回ってきてしまい、2016年~2018年まで代表を務めさせていただきました。
本研究会は、哲学以外の分野に所属していたり、研究職以外の職場で活躍されている方々が会員として多数参加されています。
これが、本研究会の最大の特徴であり、ポパー哲学の普遍性を示しているように思います。
そしてそこには、立場や権威を超えて様々な問題を自由に徹底的に議論するという姿勢が貫かれているように感じます。
私としては、自分の専門分野における客観性を深める過程でポパーと出会ったのですが、それ以上に人間の自由や社会制度の在り方という、現代において今後より重要になってくるだろう普遍的問題とのつながりをポパー哲学から学ぶことができました。
専門馬鹿にならずに済んだのはこの会のおかげだと思っております。
以上が、代表という立場になってこの研究会を回顧した私の感想です。
様々な知識の協同なくしては様々な問題が解決できなくなってきている現在、問題意識を持った若い人たちの入会によってこの会が続いていくことを切に願っております。

 

日本ポパー哲学研究会代表(2016年~2018年)
堀越比呂志

2002〜2016年代表 / 立花希一

2002年10月に嶋津さんから代表を引き継いだ立花です。突然のことで、とまどっておりますが、次の方にバトンタッチするまで、何卒、よろしくお願い申し上げます。
今年は、ポパー生誕100年ということで、7月にウィーンでKarl Popper 2002CentenaryCongressが開催され、本研究会もSpecial Sessionの一つとして、シンポジウムを開催しました。
あいにく、著名なAgassiのセッションと重なり、聴衆は少なめでしたが、パンフレット等を通じて、存在を示すことはできました。
このような研究会としての参加は、本研究会ただ一つだったからです。
いくつかの食事会の席での雑談からわかったことですが、このようなポパー研究会が研究会として成功を収めているのは、世界的にも珍しいようで、その秘訣についていろいろと質問されました。
イタリアやドイツなど、うまくいかなかった所は、会を政治的に利用しようとする人々や、単にポパーが有名だというだけで入会し、かれの思想への関心がほとんどない人々の存在が原因のようでした。
本研究会に着実な成果が見られるとすれば、それは、学問的にポパーの思想を真摯に吟味・検討し、互いに議論し合いながら、その思想を批判的に継承・発展させることによって、社会に貢献しようとする善意の人々によって、本研究会が構成されているからだと思います。
この基本原則を理解していただければ、どなたでも入会できます。特に若い方の参加を歓迎します。
このホームページも是非、活用していただければと思います。

2002年12月
立花希一

1998年~2002年の代表を務めて / 嶋津格

以下は本研究会の前代表の小河原誠氏の文章です(1997年3月付け)。
私、嶋津格が1998年7月より代表を引き継ぎましたが、私が申し上げたいことも、同じです。
ポパーの哲学は、すでに手に入っているものとしてではなく、常に求めるものとしての真理を問題にします。
そしてそれゆえにこそ、何事も批判・反証に対して開かれているべきだと考えます。
批判から免疫された権威は一切認められません。
そして誰からの批判であっても、それが妥当かどうかは、客観的な判断が可能だ(というか、そのような判断が可能になるような形で、もとの主張を提示すべきだ)、と考えます。
そしてその意味で、すべての人は真理の前に平等だと考えます。
このような「批判」の概念を中心とする認識論・科学方法論・自由社会論・進化論の哲学が、現在の諸問題にどのような有効性をもちうるのか。
このホームページを最大限に利用しながら、本研究会内外の皆様とともに考え、論じあってゆきたいと存じます。
まず、ポパーレターに掲載されたものその他このHPに出ている私たちの議論を読んで、考えの足しにしていただければ幸いです。
そして気軽に議論にご参加いただければ、さらに幸甚に存じます。

1998年8月
嶋津 格(email:shimazu@culle.le.chiba-u.ac.jp)。

1996年~1998年の代表を務めて / 小河原誠

ポパー哲学研究会は1989年の創立以来、年2回の『ポパーレター』の発行と年1回の研究大会をつづけてまいりました。この間、有形無形、多くの方々のご支援を賜りましたことに対し、心からお礼を申し上げます。
さて、このたび会員の萩原能久氏のご尽力により、ここにホームページの開設をみ、いっそうの飛躍の機会をえましたことは、われわれ一同の大きな慶びであります。
このホームページでは、ポパー哲学を研究するための文献情報の提供のみならず、研究大会や原稿募集等の案内もいたします。
また、一般Visitorの方々からのご質問に会員がお答えすることによって、ポパー哲学への理解の促進を図りたいとも考えております。
もちろん、こうしたサーヴィスに加えましてこのホームページは、会員相互、また会員やVisitorとの交流ならびに討論を促すことを大きな目標のひとつにしております。
ポパー哲学に賛成する方であれ、反対する方であれ、どうか、ご遠慮なくお気軽にコメントをお寄せ下さい。
はじめてポパーの名前を聞いたという方から、プロの研究者までこのホームページで学びあい、ポパー哲学の精神に則って真理を追究しようではありませんか。
皆様方のご支援、ご鞭撻を心よりお願い申しあげます。

1997年3月
小河原 誠

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